この記事では、詭弁の定義や歴史、そして有名な5つの詭弁の種類や4つの例、危険性や対処法、そして見破るための基本的なアプローチを紹介します。
初心者でも分かりやすく、身の回りでどのような場面で詭弁が使われるかも学べます。
詭弁を知っておくことは、相手の思考を見抜くための重要なスキルであり、日常生活やビジネスの場で役立つこと間違いなしです。
詭弁(きべん)とは?
詭弁の定義
詭弁とは、誤った論理や誤解を利用して、説得力を持った主張を行う手法のことです。
詭弁は、相手を欺くことを目的として使われることがあります。
詭弁の歴史と古典的な詭弁
詭弁は、古代ギリシャの哲学者たちが議論を行う中で、発見されたものです。
古代ギリシャの哲学者たちは、議論の中で詭弁を見破ることを重要視し、論理的な思考を養うために、詭弁について学ぶことが求められました。
詭弁と論理的誤謬(ごびゅう)の違い
詭弁は、相手を欺くことを目的として行われる手法のことであり、論理的誤謬(ごびゅう)は、論理的なミスを指します。
詭弁が誤った論理や誤解を利用し、説得力のある主張を行う手法であるのに対し、論理的誤謬(ごびゅう)は、主張自体が論理的に誤った内容になります。
詭弁とはどのような場面で使われるか
詭弁は、議論や討論の場面で使われることが多く、政治家や弁護士、論客などがよく使います。
また、広告やマーケティングの分野でも使われることがあります。
有名な詭弁の種類5つ
アド・ホミネム論法
相手の人格や信念に対する攻撃を行い、議論から逃れる方法。
例えば、「あなたは信じられない人物だから、あなたが言うことは正しくない」というような攻撃的な言葉を使う。
スリップペリロジック
一見正しいように見えるが、論理的には根拠のない主張を行う方法。
例えば、「あの人が良い人だから、彼女が悪い人だ」というように、相手の立場や人格に基づいた主張をする。
証拠負担転換
自分の主張を証明するのではなく、相手が自分の主張を反証する証拠を提出するよう求める方法。
例えば、「私が正しいことを証明するためには、あなたがそれを否定する証拠を提出する必要がある」というように、相手に対して負担をかける。
虚偽のジレンマ
二つの選択肢しかないように見せかけて、実際には他に選択肢が存在することを隠蔽する方法。
例えば、「この問題には、私が正しいかあなたが正しいかのどちらかしかない」というように、選択肢を人工的に限定する。
原因間違い
ある出来事の原因とされる要因が、実際には関係がない別の要因であると主張する方法。
例えば、「最近は暑い日が続いているから、地球温暖化が進んでいる」というように、表面的な関係を誤解することで主張をする。
有名な詭弁の例4つ
有名人や政治家、ネット上の論客などが用いる詭弁は様々ありますが、代表的なものを4つ紹介します。
トランプ氏の詭弁
元アメリカ大統領のトランプ氏は、選挙キャンペーンやツイッターなどで多くの詭弁を用いていました。
彼の代表的な詭弁としては、「フォローザマホン」という手法があります。
これは、相手を非難する際に、その根拠や理由を示さず、ただただ批判することです。
例えば、「彼女は素晴らしい人だけど、彼女の仕事は本当にできているのか?」といった具合です。
政治家が用いる詭弁
政治家が用いる詭弁としては、「誤謬(ごびゅう)の誤用」という手法があります。
これは、相手の言葉を歪め、本来の意味とは異なる解釈をすることです。
例えば、ある政治家が「人々は少ない税金を望んでいる」と発言した場合に、「この政治家は、税金を下げることで社会保障を削減するつもりだ」といったように、本来の発言とは異なる解釈をすることです。
有名な法廷で使われた詭弁
有名な法廷で使われた詭弁の一つに、「嘘の証言」という手法があります。
これは、裁判で自分の主張を証明するために嘘の証言をすることです。
有名な例としては、O.J.シンプソン事件での証言があります。
被告人であるシンプソンが自分の無実を証明するために、嘘の証言を行ったとされています。
ネット論客が用いる詭弁
ネット上の論客が用いる詭弁としては、「バーナム効果」という手法があります。
これは、自分の主張を支持するために、相手に対して情報を提供することですが、その情報が実際には根拠がないか、誤った情報であることが多いです。
これにより、相手を誤った方向に導くことができます。
有名な詭弁の危険性
詭弁の危険性とは
詭弁は、相手を欺いたり、誤解させたり、不正な主張を正当化するために使用されます。
そのため、詭弁は危険なものであり、それに騙されてしまうことで、重大な誤解や不正な行動が引き起こされることがあります。
有名な詭弁が使われることで引き起こされる問題
詭弁が使われると、次のような問題が引き起こされる可能性があります。
- 偏見や差別が助長される
- 事実に基づかない主張が正当化される
- 意思決定に誤解や誤った情報が影響を与える
- 良心的な議論が妨害される
有名な詭弁に対する対処法
有名な詭弁に対処するためには、次の方法が役立ちます。
- 論理的思考の訓練を行う
- 詭弁を学び、それが使われた場合に気づくようにする
- 相手の主張を注意深く聞き、情報を正確に理解する
- 論理的に反論する方法を学ぶ
有名な詭弁を見破る方法
論理的思考力を養うことは、知的な判断をするために必要不可欠です。
しかしながら、知的な議論の中で、時には偽りや誤りが含まれる場合があります。
このような場合に、詭弁を見破るためのスキルが必要です。
ここでは、有名な詭弁を見破るための基本的なアプローチと、いくつかの具体的な詭弁の見破り方について説明します。
有名な詭弁を見破るための基本的なアプローチ
詭弁を見破るための基本的なアプローチは、「論理的に正しいかどうか」を判断することです。
詭弁は、論理的に正しくない、つまり、仮定が間違っているか、結論が仮定に基づいていない、または、証拠が欠如している場合に発生します。
以下は、詭弁を見破るための具体的な方法です。
アド・ホミネム論法を見破る方法
アド・ホミネム論法は、相手の人格や属性に焦点を当て、議論から外れた攻撃を行うことで相手を貶める詭弁のことです。
アド・ホミネム論法を見破るためには、以下の方法があります。
- 論点を明確にする
相手の人格や属性についての攻撃に対して、論点を明確にすることで、本質的な議論に戻すことができます。
- 論拠を探る
相手の人格や属性に基づいて、議論が展開される場合は、それに関連する論拠を探り、議論の本質を明らかにすることが重要です。
スリップペリロジックを見破る方法
スリップペリロジックとは、論理的な誤りを含む言葉遊びの一種であり、本質的には意味がない議論をすることで相手を欺く手法です。
スリップペリロジックを見破るためには、以下のようなアプローチが有効です。
- 話の流れから外れる発言に注意する
- 答えがはっきりしない質問に注意する
- 相手の言葉遊びには注意する
証拠負担転換を見破る方法
証拠負担転換とは、自分が立証すべき立場にあるにもかかわらず、相手に立証責任を押し付ける手法です。
証拠負担転換を見破るためには、以下のようなアプローチが有効です。
- 自分が立証すべき立場にあることを意識する
- 相手には自分自身が立証責任を負うべきことを指摘する
- 相手が持つ根拠が不十分な場合は、指摘する
虚偽のジレンマを見破る方法
虚偽のジレンマとは、2つの選択肢しかないように見せかけて、実はそれ以外にも選択肢があるにもかかわらず、そのように誤解させようとする論法です。
このような論法を見破るには、以下の方法を試してみましょう。
- 与えられた選択肢が全てではないことを認識する
- 選択肢の言葉を分解して考える
- 選択肢の排他的な関係を疑う
- 選択肢を緩和する方法を探す
- 新しい選択肢を提示する
原因間違いを見破る方法
原因間違いとは、ある事象が起こった原因を間違ったものとして誤解することです。
以下は原因間違いを見破る方法です。
- 原因と結果を混同しないようにする
原因と結果を混同してしまうと、本来の原因を見失ってしまいます。原因と結果を明確に区別し、しっかりと調べることが大切です。
- 直接の因果関係を確認する
原因となる要因と、その要因が起こることでどのような結果が生じるかを確認することが大切です。
また、必要十分条件についても考えることで、より正確な原因を見出すことができます。
- 疑わしい原因を見つける
原因とされているものが、実際には関係がないか、あまりにも簡単すぎるものである場合には、疑わしい原因として取り扱う必要があります。
また、原因として挙げられているものが複数ある場合には、それらの中から最も妥当なものを選び出す必要があります。
まとめ
以上、本記事では、詭弁の定義や歴史、論理的誤謬との違い、詭弁がどのような場面で使われるかなど、詭弁に関する基礎的な知識を解説しました。
日常生活に何気なく潜んでいる詭弁を理解し、見破ることで、より正しい判断ができるようになるでしょう。