「藁人形論法」は、相手の主張を誤解させることで自分の主張を通そうとする不誠実な議論方法です。
しかし、この論法を避けることは容易ではありません。
本記事では、藁人形論法を回避するための具体的な方法や、藁人形論法に陥りにくくなる思考法とスキルについて解説します。
読者の方々がより効果的なコミュニケーションを行うためのヒントが得られることでしょう。
藁人形論法とは何か?
藁人形論法の定義と由来
藁人形論法とは、議論や論理的思考において、相手が主張していないことを仮定して攻撃する論法のことを指します。
具体的には、相手が持っていない立場や意見を設定し、それを攻撃することで、相手の主張を無効化しようとする手法です。
この論法の名前は、藁(わら)で作られた人形を攻撃することができるという意味から付けられました。
藁人形論法の具体例
以下は、藁人形論法の具体例です。
- 「あなたは環境保護に関心がない人間ですね。」という発言に対して、「私は環境保護に関心があるし、環境に優しい製品も使っています。」と反論することで、相手の主張を無効化しようとする。
- 「あなたはこの政策に反対するのですね。それでは、国民の福祉に興味がないということですか?」という発言に対して、「私は国民の福祉に興味があるし、ただこの政策は改善の余地があると考えているだけです。」と反論することで、相手の主張を無効化しようとする。
藁人形論法が使われる理由と危険性
藁人形論法が使われる理由
藁人形論法は、相手の主張に対して反論する場合、自分にとって都合のよい立場や意見を相手に仮定することで、反論を容易にするために使われることがあります。
また、相手に対する攻撃的な姿勢を示すことで、相手を責めることができるという利点もあります。
藁人形論法の危険性と問題点
藁人形論法は、相手の主張を無効化するために使用されるため、相手との議論や対話を成立させることができず、双方の意見が対等に交わされることができなくなってしまいます。
藁人形論法と類似の論法
藁人形論法は、誤った代表例を用いて相手の意見を批判する論法であるが、他にも類似した論法が存在する。
藪蛇論法
藪蛇論法は、議論が進まなくなった時に、複雑な話題を投げかけることで相手を混乱させる論法である。
複雑な話題を出された相手が理解できないため、自分が正しいと主張できなくなる。
ストローマン論法
ストローマン論法は、相手の主張を故意に誤解して、それを批判する論法である。
本来の相手の主張ではなく、自分が都合がいいように解釈し、その解釈を批判することで、自分の意見を通そうとする。
藁人形論法を避けるために
藁人形論法は誤解を招きやすく、不正確な結論に至る論法の一つです。そこで、藁人形論法を避けるためには、以下の方法が有効です。
藁人形論法を避けるための具体的な方法
議論の本質を把握する
藁人形論法は、本質的な部分を省略したり、関係のない点に結論を引き込んだりすることがあります。
そのため、話題の本質を見極めることが重要です。
相手が話していることに対して、疑問点を質問することで、話題の核心を把握しましょう。
根拠を明確にする
藁人形論法は、根拠が不明確なまま議論が進んでしまうことが多いです。
相手が提示する根拠について、疑問を持ったり、追及することで、根拠の正当性を明確にすることができます。
結論を一般化しない
藁人形論法は、具体的な話題を一般化して結論を引き出すことがあります。
しかし、実際の議論では、話題に沿った具体的な情報を集め、それに基づいて結論を導き出すことが大切です。
藁人形論法を避けるための思考法とスキル
藁人形論法を避けるための以下のポイントがあります
質問力の向上
藁人形論法を避けるためには、相手の発言や主張に対して、質問力を向上させることが重要です。
具体的には、相手の言い分に疑問を持ち、その疑問を相手に問いかけることで、本質的な議論に進むことができます。
情報収集の重要性
藁人形論法を避けるためには、情報収集が欠かせません。
自分で調べた情報をもとに、議論を進めることで、藁人形論法を回避することができます。
相手の主張に共感する
相手の主張に共感することで、藁人形論法を避けることができます。
相手の主張に共感することで、相手の発言を注意深く聞くことができ、論点を明確にすることができます。
まとめ
- 藁人形論法とは、相手の主張を適当に簡略化・歪曲し、その論法に矛盾があるかのように主張する方法である。
- 藁人形論法を避けるためには、具体的な方法や思考法がある。
- 具体的な方法としては、相手の主張を正確に理解すること、質問を投げかけること、反論を用意することが挙げられる。
- 思考法としては、情報の正確性を確認すること、多角的な視点から情報を収集すること、自分の偏りや思い込みに気をつけることが挙げられる。
- 藁人形論法を回避することで、自分自身がより正確な情報を収集し、相手と建設的な議論をすることができるようになる。