「藁人形論法」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「藁人形論法」は、相手の主張を誤解して反論することで、自分の主張を通そうとする論法です。
本記事では、藁人形論法の定義や起源、具体的な例、そして藁人形論法を回避するための方法について詳しく解説します。
さらに、藁人形論法が論理的誤謬に含まれる理由や、他の論理的誤謬の例についても触れていきます。
あなた自身がこの論法に騙されないためにも、ぜひこの記事を読んでみてください。
藁人形論法とは?
詭弁の中で特に有名なのが藁人形論法です。
英語ではストローマン論法と言います。
藁人形論法の定義
藁人形論法とは、相手の主張をあえて曲解し、その曲解した主張を攻撃する議論手法のことです。
相手の主張とは異なる内容の論点を扱うことで、自分の主張を正当化する目的で用いられます。
藁人形論法の起源
藁人形論法の語源は、藁で作った人形のように相手の主張に似せた偽の主張を作り、それに攻撃する様子が似ていることから名付けられました。
起源は古代ギリシャの弁論術にまでさかのぼることができます。
藁人形論法の例
藁人形論法の例としては、以下のようなものがあります。
相手の主張とは全く異なる内容を追求する
相手が「Aという行為は問題がある」と主張した場合、「あなたはBという行為を支持しているのか」と反論する
相手の主張とは異なる内容の論点を扱うことで、自分の主張を正当化する
相手が「犬は自由に散歩することができるべきだ」と主張した場合、「犬が放し飼いになると危険だ」と反論する
藁人形論法の例
藁人形論法は、さまざまな分野で見られる論法です。
ここでは、法律、政治、広告の分野での具体的な例を見ていきます。
法律の分野での藁人形論法の例
- 「A社の製品が問題を起こした」という事実をもとに、「A社の全ての製品が危険である」と主張する。
- 「この法案には問題がある」という批判に対して、「この法案を支持しないことは国民を裏切ることだ」と反論する。
政治の分野での藁人形論法の例
- 「私たちの政党が提唱する政策は、すべて正しい」という前提をもとに、「他の政党が提唱する政策はすべて誤りである」と主張する。
- 「この候補者は経験がない」という批判に対して、「経験があることが必ずしも正しいことを意味しない」と反論する。
広告の分野での藁人形論法の例
- 「専門家が推奨する健康食品」という前提をもとに、「この商品は専門家によって推奨された健康食品であるから、効果があるに違いない」と主張する。
- 「この美容製品にはアルコールが含まれている」という批判に対して、「アルコールが含まれていることが悪いわけではなく、実際には保湿効果があるから問題ない」と反論する。
藁人形論法を避ける方法
藁人形論法を避けるためには、以下の方法が効果的です。
藁人形論法を避けるための具体的な方法
結論に向かって議論を進める前に、質問してみることで藁人形論法に気づくことができます。
「これは、本当に問題の核心に関係していますか?」と聞いてみるとよいでしょう。
自分の意見に固執しすぎず、相手の主張を注意深く聞いて、本当に問題の核心について議論するよう心がけましょう。
論理的に正しい議論をするためには、証拠を示し、論拠を明確に示す必要があります。
また、質問を投げかけ、相手に反論する機会を与えることも重要です。
藁人形論法を見抜くためのヒント
相手の主張が何度も繰り返され、問題の核心から逸れている場合には、藁人形論法に注意してください。
相手の主張が自己矛盾している場合にも、藁人形論法が使われている可能性があります。
注意深く観察し、相手の主張に矛盾点があるか確認するようにしましょう。
藁人形論法に対抗する方法
相手の主張が藁人形論法であると判断した場合、質問を投げかけ、相手に主張の根拠を示すよう促しましょう。
相手の主張に反論する際には、相手が議論を逸らしていることを指摘し、問題の核心に戻るように誘導することが重要です。
藁人形論法と論理的誤謬の関係
論理的誤謬とは何か?
論理的誤謬とは、論理学的な考え方に基づいた推論の過程で、誤った結論に至ることを指します。
論理的誤謬が含まれる論法を使用することで、正しい判断や議論が妨げられることがあります。
藁人形論法が論理的誤謬に含まれる理由
藁人形論法は、議論の相手が本当に主張していることとは別のことを前提として、その前提を踏まえた議論を展開する論法です。
藁人形論法は、正確な情報に基づく議論とは異なるため、論理的誤謬の一つとされます。
藁人形論法は、以下のような流れで議論が進んでいくことがあります。
- 相手が主張していることを藁人形で代表する。
- 藁人形を攻撃することで、相手の主張を攻撃する。
- 藁人形を破壊したということで、相手の主張が破綻していると主張する。
藁人形論法を使用することで、本当に相手が主張していることを無視して、攻撃的な論点に持っていくことができます。
これにより、相手の主張を理解することができず、正しい判断や議論が妨げられることがあります。
他の論理的誤謬の例
論理的誤謬には、様々な種類があります。
以下に代表的な論理的誤謬の例をいくつか挙げます。
無効な一般化 | 個別の例から一般的な結論を導き出すことができない |
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情報の欠如 | 不十分な情報で判断を下すことができない |
過度の簡略化 | 複雑な問題を単純化しすぎることによって、誤った判断を下すことがある |
誤った因果関係 | 二つの事象に因果関係があると主張する |
まとめ
藁人形論法は、相手の主張を誤解して反論することで、自分の主張を通そうとする論法です。
藁人形論法を避けるためには、相手の主張を正確に理解することが重要になります。
また、藁人形論法を見抜くためには、相手が主張している本質的な部分に注目することが大切です。
さらに、藁人形論法に対抗するためには、正確な情報や事実に基づいた反論を行うことが必要です。